人類がマラソンで2時間を切る――その歴史的瞬間を足元で支えたのが「adidas Adizero Adios Pro Evo 3(アディゼロ アディオス プロ エヴォ 3)」でした。
片足わずか97g。約3年の開発期間を経て誕生したこの一足は、2026年4月26日のロンドンマラソンで公式レース初のサブ2を記録し、ランニングシューズの歴史を塗り替えました。
このページではそんな偉業を支えた「adidas Adizero Adios Pro Evo 3 (アディゼロ アディオス プロ エヴォ 3)」の搭載テクノロジーの詳細から発売日・価格・抽選情報まで、現時点で判明している情報を整理します。
アディゼロ アディオス プロ エヴォ 3が達成したロンドンマラソンでの歴史的快挙──サブ2と世界記録更新
2026年4月26日、ロンドンマラソンでケニアのセバスチャン・サウェ選手がフィニッシュタイム1時間59分30秒の世界新記録を樹立。それは2023年にケルビン・キプタム選手が記録した2時間00分35秒を1分以上更新し、公認レースとしては人類史上初のサブ2を達成した瞬間でした。2019年にエリウド・キプチョゲが非公認の特別レースで1時間59分40秒を記録してしましたが、それをも上回る正真正銘の“世界最速記録”です!
更にサウェ選手だけでなく、エチオピアのヨミフ・ケジェルチャ選手も1時間59分41秒でフィニッシュ。こちらはマラソンデビュー戦での記録であり、歴代2位のタイム。同日の女子レースでは、エチオピアのティグスト・アセファ選手が2時間15分41秒で自身の持つ女子単独レース世界記録を更新して優勝。
そしてサウェ、ケジェルチャ、アセファの3選手がいずれも着用していたのが、この日が実質的なレースデビューとなった「adidas Adizero Adios Pro Evo 3(アディゼロ アディオス プロ エヴォ 3)」だったのです。
デビュー戦で男女合わせて3つの記録を塗り替えたという事実――このシューズの性能を何よりも雄弁に物語っています。
アディゼロ アディオス プロ エヴォ──シリーズの系譜と今作の位置づけ
adidasのレーシングライン「ADIZERO(アディゼロ)」は、2020年以降の主要ロードレースおよびトラック競技で200を超える勝利と24の世界記録更新に貢献してきたシリーズです。そのなかでもトップアスリート向けの”スーパーシューズ”として2023年に登場したのが「ADIZERO ADIOS PRO EVO(アディゼロ アディオス プロ エヴォ)」であり、以来3つの世界記録と30以上の主要レース勝利、6つのワールドマラソンメジャーズ制覇を支えてきました。
今作「adidas Adizero Adios Pro Evo 3」はシリーズ第3世代にあたります。adidasとして初めて「100g未満のレースシューズ」を開発目標に掲げ、12回以上のプロトタイプを経て到達した一足です。ヘルツォーゲンアウラハ(ドイツ本社)のラボだけでなく、ケニアやエチオピアの高地トレーニングキャンプでもエリートランナーとともにテストを重ねたと、adidasランニング部門ゼネラルマネージャーのパトリック・ナヴァ氏は公式声明で明かしています。
前モデルEvo 2との比較では、重量30%削減、前足部エネルギーリターン11%向上、ランニングエコノミー1.6%改善という数値が公式に発表されており、単なるアップデートではなく、フォームとカーボンの設計思想そのものを刷新した、シリーズの転換点ともいえるモデルとなっています。
アディゼロ アディオス プロ エヴォ 3のデザイン・ディテール
97gを実現したミッドソール──Lightstrike Pro Evo
Evo 3の心臓部ともいえるのが、次世代の「Lightstrike Pro Evoフォーム」です。従来のLightstrike Proフォームから重量を約50%削減しながら、39mmのヒールスタックハイト(前足部36mm、ドロップ3mm)を確保。World Athletics規定の上限ギリギリまでフォームを盛りつつ、片足97gという数字を実現しています。
海外メディアRunRepeatのラボテストでは、エネルギーリターンがヒール76.8%、前足部80.2%と、ランニングシューズの平均値(58.6%)を大きく上回る数値が報告されています。冷温環境下での性能変化もわずか1%と、気温に左右されにくい安定性も特筆に値します。軽さがそのままクッション性の犠牲になるのではなく、むしろ「軽いからこそ走りに集中できる」という新しい体験を提示しているのがこのフォームの本質となっています。
推進力の新機構──ENERGYRIM
従来モデルで採用されていたカーボン製ENERGYRODS(板状のプレート構造)に代わり、Evo 3ではENERGYRIMという新たなテクノロジーを搭載。シューズの外周をU字状に囲むリム形状のカーボンフレームで、プレート型と比べて数グラム単位の軽量化を実現しつつ、ミッドソールの剛性と安定性を確保しています。
RunRepeatのラボ計測では剛性値15.6Nと、フルレングスのカーボンプレートを搭載する他社製スーパーシューズと同等の数値が確認されたようです。プレートではなくリムという形状を採ったことで、フォームの量をより多く確保でき、柔らかさと推進力を両立させる設計意図が読み取れます。ヒール部分のアウトソールにはENERGYRIMが外から見える”ミラー”仕様が採用されており、テクノロジーをデザインとして見せるという演出も施されています。
アッパーとアウトソール
アッパーにはテキスタイルとシンセティックの複合素材を採用。カイトサーフィンのセイル技術から着想を得たという構造で、極限まで薄く仕立てられながらも足を包み込むサポート性を維持しています。シューレース、ステッチ、タンの厚み(RunRepeatの計測で1.8mm)に至るまで、すべてのパーツが軽量化の対象として見直されています。インソールすら存在しないという徹底ぶりです。
アウトソールは前足部にContinental™ラバーを戦略的に配置する設計で、ヒール側はフォームが直接露出しています。これは重量を抑えるための選択であると同時に、このシューズがミッドフット〜フォアフット接地のランナーを主たるターゲットとしていることを示しています。レースペースでの高速走行時にフォアフット部分のグリップを最優先した、割り切りの明確な設計です。
エクステリア
カラーリングはミニマルなCloud Whiteのアッパーに、Core Blackのスリーストライプスを大胆に配置。Solar Turboのアクセントがヒール周辺にわずかに効いています。前作Evo 2のデザイン言語を引き継ぎながら、より洗練されたプロポーションに仕上がっており、レースシューズでありながら視覚的なインパクトを持つ一足となっています。
スペック
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| モデル名 | adidas Adizero Adios Pro Evo 3 |
| 重量 | 平均97g(27.0cm片足) |
| ミッドソール | Lightstrike Pro Evo |
| 推進システム | ENERGYRIM(カーボンリム) |
| スタックハイト | ヒール39mm / 前足部36mm |
| ドロップ | 3mm |
| アッパー | テキスタイル&シンセティック |
| アウトソール | Continental™ラバー(前足部) |
| 前モデル比 | 30%軽量化 / エネルギーリターン11%向上 / ランニングエコノミー1.6%改善 |
発売日と価格
「adidas Adizero Adios Pro Evo 3」の日本国内での発売は現時点では未定です。
海外では初回分が2026年4月25日(金)に発売され、既に完売しています。
| モデル名 | adidas Adizero Adios Pro Evo 3 |
| 品番 | KH7678 |
| カラー | Cloud White / Core Black / Solar Turbo |
| サイズ | |
| 価格 | $500 / €500 |
| 発売日 | 海外2026年4月25日(金) |
抽選・販売ショップと購入方法
海外ではadidas公式アプリおよびadidas公式オンラインストアにて、抽選形式で4月23日からエントリーが開始され、4月25日に限定数量で発売されました。
この初回ロットはすでに完売しており、次の購入機会は2026年秋のワイダーリリースとなる見込みです。
国内での販売方法については一切発表されていませんが、発売になる際は海外同様にadidasの公式アプリであるCONFIRMEDを使った抽選販売になることでしょう。
アディダス公式オンラインストアでアディゼロ アディオス プロをチェック!
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