常に新しいことに挑戦する飽くなき探究心とクラフトマンシップによって生み出される製品――アウトドアウェアとして求められる機能性と耐久性を実現しながら、タウンユースでも使える製品を展開しているカナダ生まれのアウトドアブランド「Arc’teryx(アークテリクス)」。
そんなアークテリクスの人気バックパック「Arc’teryx Granville 16(アークテリクス グランヴィル16)」を良いところ、悪いところ、購入を迷っている人が気になっている点などを交えながらレビュー!
- ミニマルなデザインのバックパックを求めている
- 大きすぎず小さすぎないサイズのバックパックを求めている
- 軽いバックパックを求めている
- 天候を気にせず使えるバックパックを求めている
- タウンユース
目次
生まれ変わったArc’teryxの人気バックパック「Granville 16」最新モデルをレビュー!
マンティスやアローシリーズといった人気シリーズが展開されているアークテリクスのバッグ類。
今回筆者が購入したのはグランヴィルシリーズの「Arc’teryx Granville 16(アークテリクス グランヴィル16)」だ。
グランヴィルシリーズには2種類のバックパック、トートバッグ、ショルダーバッグ、ボディバッグ、クロスボディバッグが展開されているのだが、筆者が購入した「グランヴィル16」は容量16リットルのバックパック。
- グランヴィル 25 バックパック
- グランヴィル 16 バックパック
- グランヴィル 30 キャリーオールバッグ
- グランヴィル ショルダーバッグ
- グランヴィル クロスボディ バッグ
アークテリクスらしいミニマルで洗練されたデザインに、耐久性・耐候性を備え、タウンユースはもちろん、ライトなハイキングにも対応できるバックパックとなっている。
それではディテールを見ていこう。
アークテリクス「新型グランヴィル16」のカラー
マイナーチェンジしたアークテリクス「グランヴィル16」のカラーは4色展開。
- Black(ブラック)
- Serene(セリーン?)
- Expanse(エクスパンス)
- Canvas(キャンバス)
前モデルから引き続き採用となっている定番のブラックに加えて、ライトブルーのようなセリーン?、パープルライクなエクスパンス、ベージュライクなキャンバスの3色が新色として採用。
また新型グランヴィル16からボディ下部に移されたアークテリクスのロゴマークは4色とも同じシルバーとなっている。
筆者はそんな4色の中から黒が好きなのでブラックをセレクトした。
素材に耐久性・防水性に優れたN400r-AC² ナイロン 6 リップストップを採用
アークテリクス「グランヴィル16」はメインマテリアルに「N400r-AC² ナイロン 6 リップストップ」を採用している。
これは摩耗や引き裂きに対するものも含んだ耐久性と防水性に優れたナイロン素材となっており、草木や岩などにこすれることも少なくない深山や高山などの厳しい環境下での使用でも信頼のあるマテリアルだ。
また基本的に耐久性を考えるとマテリアルは重くなりがちだが、グランヴィル16に採用された「N400r-AC²」は重量と耐久性のバランスを考えたものとなっている。
そのためタウンユースでは十分すぎるほどの耐久性を備えながら、日常使いにうれしい軽さにも優れたバッグとなっている。
急な雨に降られても安心の防水性
優れた耐候性と耐久性を謳うアークテリクス「グランヴィル16」。
防水性の高いマテリアルを採用していることに加えて、外側のジッパー部に日本が世界に誇るファスナーメーカー「YKK」と共同開発した止水ジップ「WaterTight™ファスナー(ウォータータイトファスナー」が採用されている。
前モデルではこの止水ジップが硬くて開けにくいという声が聞かれることもあった。
今作も普通のジッパーに比べると硬さがあってスムーズさでは劣る。
しかしながら開けにくいとは全く感じなかった。
更にアークテリクス「グランヴィル16」はそんな止水ジップに加えて、ボディ内部にはシームシーリング加工が施されている。これによってジッパー部や縫い目の隙間から水分が侵入してこようとするのを防止してくれる。
急な雨や雪に降られても安心な防水仕様となっている。
アークテリクス「新型グランヴィル16」のメインコンパートメント
容量16Lのバックパック――アークテリクス「グランヴィル16」の収納面の大部分を担うこととなる「メインコンパートメント」。
収納箇所はバッグ天面から底面まで広がるメインに加えて、MacBookなどのノートパソコンやiPadなどのタブレットを収納できるストレッチメッシュ素材を採用したノートパソコン用スリーブが設けられている。
このスリーブの底面はバックパックの底面よりも高い位置に設定されているので、バッグを地面に置いたときなどにノートパソコンやタブレットがダイレクトに衝撃を受けることを抑えてくる仕様となっている。
またスリーブの前面にもポケットが設けられており、USBケーブル(ライトニングケーブル)など小物を収納するのに便利だ。
スリーブ背面にも収納できそうな箇所があるのだが、ここは奥行きがほとんどなく、物を入れにくく取り出しにくく使いにくい。
そんなアークテリクス「グランヴィル16」はジッパーがバッグ全体の3分の2程度まで開くため、「メインコンパートメント」への荷物の出し入れや確認がとてもやりやすいバッグとなっている。
アークテリクス「新型グランヴィル16」のトップポケット
アークテリクス「グランヴィル16」の大きく分けて2つある収納箇所の1つ「トップポケット」。
多くのものは収納できないが、メインコンパートメントよりもアクセスしやすいため、サッと取り出したいものを入れておくと便利。
重さのあるものを入れたとしても(メインコンパートメントの)ジッパーを閉めた状態であればバッグの形が崩れることもない。
(メインコンパートメントの)ジッパーを開けると重さでグシャっと形が崩れてしまうが。
またストラップが付いているので、無くしたくないものを取り付けておくのに便利だ。
ただ一見すると、鍵を取り付けておくのに良さそうに見えるが、ストラップの長さが足りないかなと思う。
バッグから大きく離さずに使えるものが良いだろう。
アークテリクス「新型グランヴィル16」のショルダーストラップ(ショルダーハーネス)
背面のバックパネルと共に体に接触し、バックパックの快適性を左右することとなる「ショルダーストラップ(ショルダーハーネス)。
アークテリクス「グランヴィル16」のパッド入りショルダーストラップは、パッド部がメッシュ構造となっており、風を通し、快適性をアップさせるような仕様となっている。
そんなショルダーストラップは柔らかめで、幅は約5cm前後。
個人的には少し頼りないかなという印象を抱いた。もう少し肉厚で幅が合って硬さのあるショルダーストラップの方が好みかなと感じた。
アークテリクス「新型グランヴィル16」のチェストストラップ
バックパックの密着感を高め、バランスを取り、負荷を軽減してくれる大事な「チェストストラップ」。
当然アークテリクス「グランヴィル16」にも採用されているのだが、ただのチェストストラップではない。
長さを調整できるだけでなく、バッグから完全に取り外すことが可能となっているのだ。
更にチェストストラップを取り付けることができる場所が5カ所もあるため、調整幅が広く、自分好みの場所へ取り付けることによって、より快適なバックパックライフを送ることが可能となっている。
また不要であれば取り外しておけば邪魔になることもないだろう。
改善された通気性に優れたバックパネル
バックパックを背負ったとき最も多く体に接触することとなる「バックパネル」。
アークテリクスの新型「グランヴィル16」はハニカム構造のようにも見える凹凸のあるメッシュ構造のバックパネルを新たに採用。
長時間背負っていると熱を持ちがちな――特に夏場――バックパックと背中との接触面を減らし、風通しを良くすることによって、快適な背負い心地を実現した仕様となっている。
アークテリクス「新型グランヴィル16」のサイズは小さいのか?
アークテリクス「新型グランヴィル16」はその名の通り、容量16Lのバックパックとなっている。
そのため「アークテリクス グランヴィル16は小さいんじゃないか?」と心配に思う人も少なくないようだ。
サイズ | |
高さ | 46.0cm |
幅 | 31.0cm |
マチ | 14.0cm |
容量 | 16L |
確かに一般的なタウンユースで使用されるバックパックは20L~程度のものが多いことを考えると、容量だけで言えば若干小さいサイズのバックパックと言えるかもしれない。
しかしながらMacBookなどのノートパソコン、モバイルバッテリー、財布、キーケース、ペットボトル、タオル、折りたたみ傘、軽く羽織れる薄手のジャケット程度なら入るので、個人的には普段使いであれば十分なサイズだ。
また背負った感じも、平均身長より若干高い程度(173cm)の男性の筆者が背負っても小さすぎないサイズ感となっている。
ただ旅行――一泊二日程度であっても上記のアイテムたちに着替えなどが加わってくると厳しいかなと思う。
アークテリクス「新型グランヴィル16」の重さ
アークテリクス「グランヴィル16」の重さは公式サイトでは「760g」と記載されている。
実際に計ってみたところアークテリクス「グランヴィル16」の重さは「766g」だった。
筆者が持っているデジタルスケールがどれくらい正確かはわからないが、ほぼ公式通りの重さだ。
とはいえ、ただ760gと言われてもピンとこないかもしれない。
しかし1つ言えることは「グランヴィル16は軽い!」。
Arc’teryx「新型Granville16」のデメリット・使いにくいところ
アークテリクス「グランヴィル16」は耐候性・耐久性に優れ、日常使いには十分な容量を備え、それでいて軽量と素晴らしいバックパックだ。
しかし良いところばかりではない。
アークテリクス「新型グランヴィル16」は劣化する?加水分解の恐怖
サイズ以外でアークテリクス「グランヴィル16」を購入しようか迷っている人が心配していること。
その1つが
ということだろう。
結論から言うと「劣化は間違いなくする」。
なぜなら形あるものはいつか壊れるから……という話ではなく、アークテリクス「グランヴィル16」の防水性能を高めるために使用されているであろうPUコーティング(ポリウレタン)やシームテープ周りが加水分解することからは免れないからだ。
アークテリクス「新型グランヴィル16」は白くなるのか?
もう1つアークテリクス「グランヴィル16」を購入しようか迷っている人が気にしていること。
これは前モデルから問題視されてきたものだが……。
結論からいうと「アークテリクス 新型グランヴィル16も白くなる」。
それを「味が出てきたな」と捉えるか「汚い」、「劣化してきたな」と捉えるかはあなた次第。
ショルダーストラップのサイズ調整がガバガバ
アークテリクス「グランヴィル16」に不満点はほぼないのだが、唯一の使いにくい点にして、致命的だなと感じているのが「ショルダーストラップ(ショルダーハーネス)のサイズ調整」。
バックパックは重心を高く保ち、自分の体に密着させ、上下左右に揺らさないことが負担を軽減させ、快適な背負い心地を実現する。
そのためには「ショルダーストラップ(ショルダーハーネス)の長さ調整」は絶対に欠かせない。
しかしアークテリクス「グランヴィル16」のショルダーストラップ(ショルダーハーネス)の長さ調整はガバガバ過ぎて……。
1度ここだ!と決めたらもう1mmも動かしたくないものなのだが、バッグを肩から下ろし、再び背負い直した瞬間にはもう長さが変わっていることがある。
酷いときにはちょっとズレたなんてレベルではなく、最長サイズになっているのだ……。
そういう背負い方も好きだよ?
むしろ高い位置で背負うよりも少し下に下がっているくらいの方が好き。見た目的には。
それでも限度ってものがある!
持ち手(グラブループ)がチープ
飲食店などでバッグハンガーなどに引っかけたり、バックパックを手で持つときに使ったりする「持ち手(グラブループ)」。
アークテリクス「グランヴィル16」の持ち手(グラブループ)はかなりチープ。
30,800円のバッグとは思えない代物。
形が崩れる
公式サイトの画像を見ると背面がぷっくりと膨らんだ丸みを帯びたデザインとなっている。
しかし中に荷物を詰めるか自分で形を整えてやらないと背面が膨らんだああいう綺麗な形にはならない。
個人的には荷物がパンパンに入っているみたいなのがあまり好きじゃないので特には気にならないが。
自立しない
アークテリクス「グランヴィル16」は自立しない。
バッグが自立すれば便利ではあるが、個人的には自立しなくても気にならないので、この点については実はそれほど使いにくいなと感じてはいない。
Arc’teryx「新型Granville 16」のレビューまとめ
ミニマルで洗練されたデザインのアークテリクスの新型バックパック「グランヴィル16」。
個人的にはショルダーストラップのサイズ調整を除けば概ね買って良かったなと思えるバックパックだった。
なんて素晴らしいレビュー。デメリットが分かりやすくていい!やっぱり白くなるんだなぁ。まぁ、味ですかね。